OJTの基本ステップ|新人を戦力化する流れ

新人育成は「即戦力化」と「成長支援」のバランスが大切

職場に新人が入ると、「できるだけ早く戦力になってほしい」という気持ちと、「長く活躍できる人材に育てたい」という願いの両方が生まれます。そこで欠かせないのが、現場での実務を通じて学ぶ OJT(On the Job Training) です。
しかし、OJTと聞くと「横について教えること」と誤解されがちです。実際には、単に仕事を教えるだけでなく、「成長の段階に応じた仕組み」として設計することが大切です。ここでは、新人をスムーズに戦力化するためのOJTの基本ステップをご紹介します。

ステップ①:目標設定と役割の明確化

最初のステップは「何を目指すのか」をはっきりさせることです。
新人にとって、業務の全体像が見えないまま「やってみて」と言われるのは大きな不安要素です。例えば、「3か月後には一人でこの業務を回せるようになる」といった具体的な目標を設定することで、自分の成長の道筋が見えやすくなります。

さらに、チームの中でどんな役割を担ってほしいかを伝えることも重要です。「あなたがこの部分を担ってくれることで、チーム全体の仕事が円滑になる」という説明があれば、自分の存在意義を理解しやすく、主体的な姿勢につながります。

ステップ②:実務の観察とモデル提示(見て学ぶ)

次のステップは「やり方を見せる」ことです。
OJTの基本は、まず先輩や指導者がモデルを示すこと。新人にとっては「この業務をどう進めればいいか」が言葉だけではイメージしにくいため、実際にやっている姿を見せることが効果的です。

このときポイントとなるのは、単に「見て覚えて」ではなく、要所で解説を加えること。「ここはお客様の反応を見ながら調整している」「この手順を先にやると後が楽になる」といった説明を添えると、単なる模倣ではなく理解を伴った学びになります。

ステップ③:実践とフィードバック(やってみる→振り返る)

モデルを見た後は、新人に実際にやってもらう段階です。
このとき、指導側は「任せっぱなし」にせず、必ずフィードバックを行うことが大切です。例えば、業務後に「良かった点」と「改善できる点」をセットで伝えると、新人も前向きに受け止めやすくなります。

また、フィードバックはできるだけ具体的に行うのが効果的です。「お客様が途中で迷っていたときに、あなたは一度説明を止めて、図を使って整理して説明し直していたね。あの対応はお客様がうなずきながら聞いていたから、とても丁寧で伝わりやすかったと思うよ。ただ、『コンバージョン』や『ペルソナ』といった専門用語は少し多かったから、次は『成果』や『理想のお客様像』みたいに言い換えると、さらに理解しやすくなると思うよ。」といったように、次につながる行動イメージを示しましょう。

ステップ④:段階的な裁量移譲(任せるプロセス)

新人がある程度慣れてきたら、徐々に裁量を広げていきます。
最初は小さなタスクを任せ、成功体験を積ませることが自信につながります。その後、難易度の高い仕事や責任のある役割を任せることで、自律的に判断する力が育ちます。

大切なのは「任せる」と「放置する」を混同しないことです。適度なサポートを残しながらも、失敗を恐れず挑戦できる環境を整えることが、長期的な成長につながります。

ステップ⑤:振り返りと成長確認(成果の見える化)

最後のステップは、成長を振り返ることです。
「最初はできなかったことが、今はここまでできるようになった」という確認は、新人にとって大きなモチベーションになります。定期的に面談や振り返りの時間を持つことで、成長の実感を言語化でき、自信を深められます。

また、指導側にとっても「どのステップが効果的だったか」「次に活かせる点は何か」を確認する機会になります。OJTは一度きりのものではなく、組織全体の学習サイクルとして回していくことが理想です。

まとめ:OJTは「段階的に自走できるよう導く仕組み」

OJTの本質は、新人がただ仕事を覚えるのではなく、最終的に自分で考えて行動できるようになることです。そのためには、

  1. 目標設定と役割の明確化
  2. モデルを見せる
  3. 実践とフィードバック
  4. 裁量の段階的移譲
  5. 振り返りによる成長確認

という流れを意識することが大切です。
効率だけを求めて教え込みすぎても、放任してしまっても、長期的には戦力化が遅れてしまいます。大事なのは「段階的に育てる」視点です。

——————————————————————————————————

ちば研修ラボ」は、千葉の企業と人材を育成するために生まれた、地域密着型の研修ブランドです。新入社員から管理職まで、それぞれの成長段階に応じた実践的なプログラムを提供し、組織の力を最大限に引き出します。

この「ちば研修ラボ」を展開するエイトシフトは、幅広い業界や企業規模での研修実績を持ち、人材育成の専門性と信頼性を培ってきました。私たちは「地域に根ざした支援」と「全国的に通用する専門性」を両立させ、関わる人のよりよい未来を共に築く“伴走型パートナー”であり続けたいと考えています。

ちば研修ラボ~地域とともに成長する研修パートナー~

運営 株式会社エイトシフト

※お問い合わせに関しては各HPよりお願いいたします


——————————————————————————————————