「目標を伝えたのに、若手がなかなか行動に移してくれない」「こちらが思うように成果を出してくれない」――現場でよく耳にする声です。上司や先輩からすると、仕事を通じて成長してほしい、責任感を持って取り組んでほしいという思いがある一方で、若手側は「目標が大きすぎて何から始めればいいかわからない」「自分に関係あることと思えない」と感じていることが少なくありません。
そこで重要になるのが「目標設定の仕方」です。ただ数値や成果を提示するだけでなく、日々の行動や本人のモチベーションと結びつける工夫を加えることで、若手のやる気は大きく変わります。ここでは、OJTやコーチングの場面で使える「若手にやる気を出させる目標設定のコツ」を紹介します。
大きすぎる目標は逆効果、小さなステップに分解する
現場でありがちなのは「1年以内に営業成績を〇〇%上げる」「この資格を必ず取得する」といった大きな目標をそのまま与えてしまうケースです。もちろん方向性としては正しいのですが、経験が浅い若手にとってはプレッシャーになりすぎて、逆にやる気を失ってしまう危険があります。
OJTの場面では、まず「今できること」と「少し努力すればできること」に焦点を当てて目標を小さく刻むことが有効です。例えば営業職であれば、いきなり「売上アップ」ではなく、「1週間で10件の訪問を実行する」「先輩に同行して3つの提案方法をメモにまとめる」といった行動ベースの目標を設定します。
コーチングの観点からも、短期的な成功体験は自己効力感を高め、次のチャレンジ意欲につながります。「できた」という実感を積み重ねることが、若手のモチベーションを支える土台になるのです。
「自分ごと化」できる目標にする
もう一つ大切なのが「自分ごと化」です。上司が一方的に与えた目標は、本人にとっては「やらされ感」が強く、なかなか動機づけにつながりません。そこで、コーチングの手法を取り入れ、本人のキャリアや興味に目標を結びつけていくことが効果的です。
例えば「3年後にどんな自分になっていたい?」と問いかけ、その答えを聞いたうえで、「そのために、今の部署でどんなスキルを身につけると役立ちそう?」と掘り下げます。本人が語った内容をもとに目標を整理すれば、自然と「これは自分のための目標だ」と納得感が生まれます。
また、若手は将来像が漠然としていることも多いため、OJT指導では「短期目標(半年以内)」「中期目標(1〜2年)」といった時間軸を提示しながら一緒に考えると、現実感を持たせやすくなります。こうして本人の意思を反映させた目標は、強制感が薄れ、やる気を引き出しやすくなります。
進捗の見える化とフィードバック
目標は設定しただけでは、日々の行動につながりにくいものです。現場では「立てた目標がそのまま放置される」という状況が少なくありません。ここで大切なのが「進捗の見える化」と「定期的なフィードバック」です。
例えば、タスク管理ツールや共有シートを使って、若手自身が進捗を更新できる仕組みを用意します。「見える化」することで、本人は小さな達成を実感しやすくなり、上司もタイムリーに声をかけやすくなります。
さらに、フィードバックの質も重要です。達成度合いを評価するだけでなく、「よくここまで取り組めたね」「工夫していた点がよかったよ」と具体的に承認することが、若手にとって大きな励みになります。失敗があった場合も「どこでつまずいたか」を一緒に振り返ることで、「次はこうすればできそうだ」という前向きな気づきにつなげられます。
こうしたサイクルを回すことで、目標は単なる「紙の上の約束」ではなく、本人の成長を実感できる「道しるべ」として機能します。
まとめ
若手にやる気を出させる目標設定のポイントは、
- 大きな目標を小さなステップに分解して達成感を積み重ねること
- 本人のキャリアや興味と結びつけて「自分ごと化」すること
- 進捗を見える化し、承認とフィードバックを繰り返すこと
の3つに集約されます。
OJTやコーチングの現場でこの流れを意識するだけで、若手の主体性は大きく変わります。「どうやってやる気を引き出せばいいのか」と悩むより、まずは目標設定の工夫から始めてみましょう。
ちば研修ラボの研修では、こうした「やる気を引き出すマネジメント」の具体的な実践方法を学び、現場ですぐに活かせるノウハウを体験できます。若手育成にお悩みの方は、ぜひ研修を通じて新たなアプローチを取り入れてみませんか。
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