若手が主体的に動き出す1on1の進め方

最近、多くの企業で導入されている「1on1ミーティング」。若手社員と上司が定期的に対話することで、信頼関係を築き、成長を支援する仕組みとして注目されています。しかし、実際の現場では「結局、雑談で終わってしまう」「上司が一方的に話してしまい、若手が受け身になっている」といった声も少なくありません。本来の1on1の目的は、若手が主体的に考え、行動するきっかけをつくること。では、どうすれば「若手が動き出す1on1」に変えていけるのでしょうか。

1on1は「成長支援」の場ととらえる

まず大切なのは、1on1の目的を「評価」や「業務指示」ではなく「成長支援」と位置づけることです。上司がフィードバックや指導を行う時間と混同してしまうと、どうしても若手は受け身になり、発言が減ってしまいます。

1on1はあくまで「若手の考えを引き出す場」です。仕事の進め方や悩みを安心して話せる心理的安全性を確保することが第一歩となります。そのためには、冒頭で「今日は成果を確認する場ではなく、あなたが感じていることを話す時間だよ」と伝えることが有効です。上司があくまで伴走者であることを示すことで、若手は安心して自分の考えを口にしやすくなります。

問いかけ方を工夫して主体性を引き出す

次に大切なのは「問いかけ方」です。多くの1on1でありがちな「最近どう?」という質問は、答えが曖昧になりがちで、会話が広がらないことがあります。

そこで有効なのが、具体的かつオープンな質問です。

例えば:

  • 「この1週間で、チャレンジしたことは何かあった?」
  • 「今の仕事で、一番ワクワクした瞬間はどこだった?」
  • 「もし自由に改善できるとしたら、どんな工夫をしたい?」

こうした質問は、若手が自分の経験を振り返り、自ら言語化するきっかけを与えます。上司が答えを提示するのではなく、あくまで「相手の思考を整理する手助け」をする姿勢がポイントです。

さらに、問いかけに対して返答が短く終わってしまった場合には「もう少し詳しく聞かせてもらえる?」とやさしく掘り下げることで、より深い対話につながります。大切なのは「質問で追い詰める」のではなく「相手の考えを広げる」ことです。

行動につなげる振り返りと次の一歩

主体的な1on1を実現するためには、最後の「まとめ方」が重要です。話して終わりではなく、「今日の対話から次に試してみたいこと」を本人に言葉にしてもらうことが効果的です。

例えば「じゃあ、次の1週間でどんな行動を意識してみようか?」と問いかけ、本人に小さな一歩を設定してもらいます。上司はアドバイスを与えるよりも、「いいね、それを試してみよう」「その挑戦を応援するよ」と伴走者として背中を押す役割に徹します。

また、次回の1on1で「前回話した行動を実践してみてどうだった?」と確認することで、若手は「自分の行動が認められている」と実感できます。これは自己効力感の向上につながり、さらに主体的な行動を促すサイクルを生み出します。

まとめ

1on1は、上司が教える場ではなく、若手が自ら考えるための場です。心理的安全性を整え、効果的な問いかけを行い、最後に小さな行動につなげる。このサイクルを重ねることで、若手は「言われたから動く」のではなく「自分で考えて動き出す」スタンスを身につけていきます。

主体性を育む1on1が根付けば、若手の成長だけでなく、チーム全体の活性化にもつながります。

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